とても哲学的な話になってしまうのですが、人との関係で「勝ってはいけない」と思うことがあります。
議論をすることがしばしばあります。お互いに自分が考えていることを伝えて正論としてぶつけるわけです。そしてその自分の考えに賛同してもらい、行動してもらうところまで持っていきたいと考えているわけです。
ところが、相手も同じように自分の考えていることをこちらに理解してもらいたいと思っているわけで、その結果その通りに行動してもらいたいと思っているのです。
だから当然すんなりとかみ合うことはそうそうありません。
だいたいが物別れに終わるというのが常です。
一対一で議論するということは、すなわち上手くいかないものなのです。
だから本来ならば、議論は3人以上で行い客観的に判断を下すような役まわりの人が必要なのです。
そしてその複数人で議論する時に心がけていることがあります。それは「勝ってはいけない」ということです。
言い負かしてしまうと、当然シコリが残ります。相手はその場では分かった風な態度をとるかもしれませんが、内心では納得などしていないでしょう。
いつか巻き返してやろうと密かに復讐の炎をメラメラと燃やし始めるのです。
何かにつけて反対意見を言ってきたり、すんなり従わなかったり物事が上手く進まなくなります。
だから、表向きは負けた形にしておくことが大切です。
勝ちを持たせる、ということです。その中に少しだけこちらの意向を頷かせることを盛り込むことです。
少しずつ少しずつ、こちらの考えていること、求めていることを、いつのまにか相手の口から引き出すことができれば結果として大勝利だからです。
その場ではいかに自然に負けた形に見せることができるか。その境地になれることを今でも常に考えています。


